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ヘリに乗っていた2時間は、今考えると時間が止まってしまったようにも感じたよ。イヤーマフとかをしていたこともあるけど,妙に現実味がなくなってきたね。ま、写真と動画があれば思い出すからいっか。
やっぱり帰りもバンでホテルまで送ってもらった。朝早く起きたし、更にヘリに乗って廻ったもんだから、若干の酔いがあった。これは、ヘリ酔いっていうのかあ?さらに本日の午後3時から別のツアーがあるため、やっぱり1日のうちに2つのツアーを組むのは少し無理があったかなと思った。そういうわけでこの空き時間は少し休んでおきたいと思った。まだ昼前だし……。
しかし、カミさんとしてはこの空き時間にビーチに行ってのんびりしたかったのだそうだ。まきおが「1人で行ってて」って言ったら。ふてって出て行ってしまった。そのあと、ちょっとしたけんかになった。1人でビーチにいるのは詰まらんかったって……。そのことに関してちょっぴり険悪な雰囲気になるものの昼ごはんを食べたり(例のソーメンスパゲティをだしたイタ飯屋で今度はピザ)、そうこうしている内に午後の3時がやってきた。え?今度はなんのツアーだって?そうそう、言い忘れていたね。今度のツアーは、「マウナケア山頂ツアー」である。
ここで、きょんこ登場。きょんこが書きます。きょんことは?それはマキオの奥さん。まっきょんの「きょん」は私です。
世界最高峰のマウナケアの山頂から,夕日を眺める星空ツアーだ。ヘリもそうだが、このツアーはきょんこが絶対に行きたがっていたツアーだった。マウナケアの山頂には世界各国の天体望遠鏡がひしめいていて(日本の天体望遠鏡「スバル」がある)、☆の観測には、もってこいの環境らしい。
かなりの高度の山頂(富士山より高い)、澄んだ空気、周りには遮蔽物が何もない、こんな完璧な場所で夕日を眺め、星を見てみたい!!この切実な願いが故に、驚く程高い料金のツアーにあまり良く考えもせずに申し込んでしまった(大きな損失だったことに、その後、2人は気づくのだった・・・)。
あとで知ったことだが、「すばる」は直径8mの反射鏡を有しているという。どうしてここに天文台を置くかというと、@マウナケア山頂は晴天率が非常に高く、365日中330日以上が晴れ、つまり晴天率が異常に高いことをはじめとして、A大気が安定していること、B水蒸気が少ないことと、色々な条件があるらしいが、この山はいずれもそういった条件を満たしている。
さらに、ここは頂上まで車で行けるらしく、天文家達にとって十分便利なところらしい。ひょっとすると,車で標高4200mの頂上まで車で行けちゃうなんて世界でここだけではないだろうか?
まず、ツアーの時間が長い。午後2時半頃,ホテルまで迎えに来てくれ、帰ってくるのは午後10時をまわっていた。マウナケアという山は非常に高く、下界とは気候が異なる。冬期には、山頂でスキーを楽しむ人もいるらしく(常夏の島ハワイでスキーだって?)、私達が行ったときも、雪の残骸が残っていたし、セーターとジャケットを着ているにもかかわらず、とても寒くてブルブル震えていた。
こういう高い山に一気に登ると高山病にかかるので、このてのツアーは途中に食事をとる時間をとったり、休憩を多くとって、ゆっくり山頂を目指す。体に負担をかけないためだ。
それからマウナケアまでの道、これが危険。途中までは舗装されたハイウェイなんだけど、突然、ガタガタの地面の道に変わる。サドルロードという。サドルとは馬に乗るときにつける鞍のことなんだけど、道路の道筋がこの鞍の形に似ていることから名づけられたようだ。この道もレンタカーでは通行禁止になっているし、山頂までは4輪駆動の車で行ったほうが安全だ。
山の気候なので、すぐに霧がかかったり雨がふったり、視界がすごく悪い。
午前中のヘリはピカピカに晴れていてラッキーだったのに、このサドルロードにさしかかったあたりから曇り、霧、小雨と嫌な予感・・・、さっきからガイドのマットさんが「この辺が雨でも、やあまの上は晴れてることが多いよ。だいじょぶ、だいじょぶ、ネバーセイ、ネバーね」と、へんてこりんな日本語で説明している。
Never say never. とは,絶対あきらめない、という意味。ほんとかい?ちょっと無謀なんじゃないの?と思いつつも、これだけ高いお金を巻き上げておきながら☆が見れないってことは無いだろうと、たかをくくっていた。
長い、なが〜いドライブなので、初めから終わりまでそのマットというアメリカ人が変なギャグを交えながら、ハワイの歴史とか周りの景色の説明とかずっと喋っている。運転しながらだよ。この人は運転手兼ガイドなのだ。しかしまあ良く喋る、喋る。ちょっと発音が微妙だけど、これだけ日本語が喋れるんだもの、すごいよね〜〜。
客は私達のような男女のカップルが5組・・・と思いきや、1組、会社の上司と部下という組み合わせの男組みがいた。ゴルフ三昧のハワイ島を楽しんでいる連中。この2人が笑えた。一人は上司の関西弁のおじさんで、も一人は部下のちょっとでぶちょん。でぶちょんは疲れているのだろう。このドライブの途中から早速寝にはいっていた。私達も午前の早起き(ヘリの送迎は朝の5時でしたよ)、引き続いてのこのツアーだったので眠い。強行軍のスケジュールを計画したのは私!!ごめんねえ、マッキ。
と言うわけで何回かの休憩の後、オニヅカビジターセンターに着く。ここから山頂まで30分くらいだ。本来ならここで夕日を眺めて晩御飯のお弁当を食べるのだが、なんということだ。さっきから全然雨が止まない。辺りは薄暗く、かなり本降りに雨が降り続いている。それなのに性懲りもなく、マットの奴は「やあまのてっぺんは晴れてるってことがあるんですよ。行って見ないとわからんです」なんて言って、馬鹿な日本人、なんにも言えずに、やあまの上まで連れて行かれた。
ちなみにこの日のおべんとは、日本の日の丸べんとうみたいなもので、ひじきの煮つけ、サケの焼いたやつ、野菜の煮物などなど。ハワイの食事に嫌気がさして、しかも口内炎で苦しんでた、それがゆえに、きょんこの機嫌を損ねてしまったマキオにとって最高の夕食となった。必要以上のリアクションでその弁当を褒めちぎるマキオ。笑える・・・。そうか、そうか、そんなに苦しかったんか。ごめんよ、怒ったりして。だって、ハワイにまで来て口内炎のイターい顔を毎日見せられてごらんよ〜〜。しかも必要以上のリアクションで・・・。「ウゴ==,痛ええええ〜〜〜〜」。弁当は日本人オーナーのレストランで頼んだらしい。やっぱり日本食最高!と思った瞬間だった。
ビジターセンターの脇に細いけものみちがあって、そこを10分ほど歩くと、銀剣草という世界でも珍しい野草が生えていた。世界中でマウナケア山頂とヒマラヤにしかないそうな。なんだか確かに銀色っぽい、白っぽい、肉厚のつんつんした草だった。日本語名は「ぎんけんそう」と呼ぶ。
さて、銀剣草を後にして、天気が一向に回復する兆しがないまま、ついに山頂に向かう時間がやってきた。車に乗り込むと、,ますます雨足が強くなってきた。それに寒い。みぞれのような、ちょっとぼてっとしたものまで降ってくる。なのに、なんでマット君、車の中にクーラーつけるの。しかも、あんた半袖だよ。アメリカ人の新陳代謝の凄さにまたもやあきれてしまった。ちなみに、うちらはシャツ、長袖セーターの上からツアーで貸してくれる暑いジャケットと手袋。
山頂に近づくと、冬の残骸の雪がひからびて残っている。物好きな地元人は、この山に四駆で登ってきてスキーをするそうだ。でもリフトが無いから、一人は車でスキーヤーを頂上まで運び、滑ってきたら又車で頂上へ。そこまでして滑りたいんだね。
視界が悪いし暗いので景色は良く分からないが、どうやら天体望遠鏡群が見えてきたらしい。まん丸の屋根、とんがり屋根、白っぽい近代的な建物で、世界各国の☆の観測所がそこにある。日本のスバル望遠鏡も見えてきた。
思ったほど、でかくない。そこで車を降りて写真をパシャリ。うちらは車を降りて外に出たけど、半分くらいのカップルは寒いのと、めんどくさいのと、延々ここまで車で連れてこられて「これかい?」って感じでふてっていたのか、とにかく外にでても来なかった。「中からみればいいや」って、全然,初めの意気込みが感じられない・・・。無理もないよな・・・。
観測所のひさし?みたいな所の下で雨やどりしてたんだけど、止むわけない。ざあざあぶり。ふと建物の脇を見ると、何故かウン○が地面の上に転がっている。なんで?まさかこんなところに犬がいるわけないし・・・。え?人間?うそだろ〜〜?マウナケアの山頂で,ウン○しちゃった人間がいるんだあ。凄いなあ。どんな人だろう?と、しばしそのウン○の残骸に目が釘付けのきょんこだった(我々の旅行記は,こういう話題が多くてスイマセン。お恥ずかしい・・・)。
さて、10分は山頂にたたずんでいただろうか?車から出てこない人々は、何のためにココまできたんだか分からんちん。帰りの車でマット君が開口一番、「いやあ、なんと言えばよおろしいだろうか・・・」。何も言わなくてよろしい。黙ってさっさとこの寒い場所から下界に帰ろうよ。星が見えないなら、こんなとこにいたってしゃあないやん。さすがに帰りの車では、マットは黙った。
ほぼ全員、乗組員は眠りに入った(きょんこは起きていた)。ああ、なんと無残なこの体験・・・。幻のサンセット、憧れの星空、流れ星よ、さようなら。
真っ暗なガタガタ道をひたすら走る。帰り道も又、3時間・・・。それぞれのホテルにみんなを送り、我々がキングカメハメハホテルにたどり着いたのは10時を過ぎていた。マットお〜〜、あんた、ボリすぎちゃうん?乗組員は12人いたよね。ってことは、これだけで20万近くもうけちゃうわけ???ちょっとお、詐欺だよ、サギ。でも、ホテルに帰ってパンフレット読み返したら、「自然現象により星空が見えなかった場合でも料金はお返しできません」と、ちゃっかり書いてあった。みなさん、自然をあなどってはいけません。っていうか、その前に旅行時のツアーにはよお〜く考えてから申し込みましょう。
でもね、マウナケアの山頂は1年のうち360日は晴れているんだって。ってことは、うちらはすんごい確率で残りの5日に当たっちゃったんだね。ほんっとUnluckey
な人間!!
という訳で、この日はなが〜く、切ない1日でした。 |
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