|
第3日、カイルア・コナの朝。東側には巨大な山々があるために、日の出がはっきりしない。それに、山の方は霧がかかっていることが多い。そのくせ海のほうはハワイ的?に晴れている。日差しも当然強い。
昨日の夜くらいからだろうか?海に行っているわけじゃないのに両腕が痛い。特に左腕が痛いと分かったとき、半袖で車を運転していたためだとわかった。よく見ると真っ赤にはれているし、シャワーを当てると当然のように痛い。そういうわけで、かみさんの化粧用?みたいな日焼け止めを借りて腕に塗って伸ばすこととする。背中にもぬったりした。
今日の集合場所はホノコハウ・ハーバーというところ。ここから、小船に乗って海へ繰り出すことになる。この場所に行くには、ホテルから車でほんの10分程度だろうか。沢山のヨットが停泊している。後から、聞いた話だけど、キジキマグロみたいなでかい魚を釣って来たりする人が居るらしい。そういえば、写真で人の体の3倍くらいある大きさのカジキをつっている写真があったっけ。まま、そういうところらしい。
受付で登録をすませた。「英語は大丈夫?」って聞かれて、かみさんがOKしたものの、その後聞いた説明がさっぱり、ちんぷんかんぷん。なんでも見ることが出来る魚の種類の話とか、注意事項を言っているみたいだった。うちらが乗るのは、大きなボムボートにモーターがついたような、なんとなくしょぼいボートに見えた。しかもそこに5組くらいのアメリカ人が乗ってきた。みんなサングラスをかけている。向こうの人たちは青目だから、太陽の光に対して弱いのかなとか聞いたりした。
港からボートが動き出した。ふと下を見ると底まで見える。普通船が集まったりする場所って、なんかこう汚いイメージがあったんだけど、ここは奇麗だった。どうも港の中は静かにゆっくり走るという規則があるみたい。少し沖に出ると、「良くつかまって、足にロープを絡ませてね」ってなことを言って、いきなり飛ばし始めた。モータの音もすごい音だけど、ものすごい速さで沖の方に加速する。ここで落ちたら大変だなと思って、しっかりとしがみついた。
あんまりいいボートじゃなさそうだね。もの凄いゆれるし、音はうるさいし。でも、このすばらしい海に囲まれているとそういうこともあまり気にならなくなる。頭に焼き付けた地図の海岸線とかを海側から見る眺めはなかなか良い。ボートはブンブンいわせながら南へと進んでいく。
途中何回か休憩を入れた。あんまり長い時間走っていると、なんだか体がおかしくなっちゃうかもしれないし、それこそ船酔いなんてものをしたらたまらないからだろうと思う。ちょうどカイルアコナの沖辺りで一時停止。この町でもっとも良く目立つモクアイカウア教会の鋭くとんがった屋根がはっきりと見える。今日はとても天気がいい。
結局船は、更に南に向かい、キャプテンクックの碑があるところまで来た。キャプテンクックという人の話をボートを運転してくれたおっさんが話してくれたが、ほとんどチンプンカンプンだった。ただ、この辺で殺されたらしいということは分かった。
おっさんからスノーケルの道具のことでちょっとした説明があった。さて、いよいよ海の中にである。ここで、かみさんにとってとっても大事なことがあった。カメのことである。ここでカメを見ることができるのか?一緒に泳ぐことが出来るのか?ということは、彼女にとって最重要事項であった。
そこで、キャナイシータートー?って聞いたらおっさんは、「たまにね」って感じだった。必ず見れるよって言ってほしかったけど、とりあえず期待が全くないわけではない。
目の前にはおおきな崖が迫っている。溶岩が作った岩だから、いくつもの層になっているのが分かる。ここはケアラケクア湾というところで、海洋保護地区に指定されているらしい。さっそくスノーケリングの用具を身につけて、海の中に入ることにする。もぐってから海の底をみても何メートルあるのかがつかみにくいが5〜6mはあるところだと思う。とても透明だった。しかし、魚はサンゴのあるところに多いみたい。色々な魚がおよいでいた。サンゴの周りにはきっとえさが沢山あるんだろうね。ほんと。写真で見るような魚達です。黄色いやつ。黒と青の魚。オレンジとか、いっぱい。ずっと潜っていても飽きない眺めでした。
ただ、うちらのカメラは耐水性じゃないもんだから、ここんとこの写真はまったくない。それがちょっと寂しいところだろうか。また、つらいことは他にもある。カメのことである。これだけ色々な魚が居るのにカメはいなかった。かみさんはしょんぼりだ。ハワイ島にカメは本当にいるのだろうか?スポットを2つも行っているのに。会えないということは、運が悪いからだろうか。
何時間かしてボートに戻る。そこにはお菓子とかジュースとかがあったけど、正直言って欲しいものは、あったかい日本茶とせんべいだった。ただ、こういう時に食べるものって美味しいんだよね。
そんじゃそろそろ引き上げるか。ってな感じで再びゴムボートのエンジンがかかる。ちょうどその時のことだった。おっさんが何かを叫んだ。あ!イルカらしい。イルカの群れがすぐ近くを泳いでいたのだ。しかもボートのすぐ近くをである。背中のヒレを海面に出しながら、楽しそうに泳いでいる風景はほんの1分くらいだったかも知れないが、カメを見れなかった悲しみが、喜びに変わった瞬間だった。
そのあとは、出てきた港に帰るわけだけど、それまでいろいろ寄り道をしてくれる。やっぱり溶岩が大昔に作ったトンネルとかとても、大型の船では近づけないよな、岩壁……。色々と説明をしてくれているのだが、よくわからん。ところどころで、地層の話とかが出てきて、ん?と耳を傾けることも出来たのだが……。良く見ると岩肌に沢山のカニがいたり、海側から見る島もなかなかいいものだと思った。
それから、またもとのハーバーに戻る。かみさんはボートの手すりにしがみつきながらもうとうとしていたが、まきおも少し眠くなってきた。でも、ここで寝ては少しもったいないから、運転する人のそばに行って、立ってみた。これはなかなか気持ちが良かった。でも、ちょっと、エンジンの音がうるさいんだよね。
というわけで、短い海の旅が終わってしまった。カメには会えなかったけどイルカには会えたから、フィフティフィフティだろう。岸に上がったら、無性に腹が減ってきた。さて、何を食べようか? |
|
|
|