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 この日、両親だけハワイ島日帰り観光に送り出した。初の海外2人旅である。6時にアップルツアーのFさんがお迎え(1時間前の5時にはモーニングコールもくれた)。ほっとしたところで、私たち夫婦も予定をこなしに出発だ。

 7時にビーチタワーを出てチャイナタウンに向かう。PauahiとSmithの角の駐車場に車を入れ、お目当てのカスタードパイの店を捜す。住所を頼りに見つけたのは看板の無い店であった、「Lee's Pastry Kitchen」。しかしショーケースにそれらしきものが見当たらない。聞くと焼きあがりは8時半だという。「じゃあその頃に来ます」と言うと「予約しないと無くなっちゃう」とのこと。もちろん名前を残し、ちょうど焼きあがったグレイズドドーナッツを買い、食べながら店を出た。
 砂糖でベトベトになった指を持て余しながらRiver St.沿いの「ロイヤル・キッチン」へ。焼きマナプアの有名なお店である。叉焼、チキン・カレー、ブラックシュガーをチョイス。ブラックシュガーはちょうど焼きたて熱々だ。お線香の匂い漂うカルチュラルプラザをブラつきつついただく。

 8時にはお気に入りのPHOの店が開くので、まだ10分早いが向かってみた。するとすでに行列ができているではないか。恐るべし、「トーチャウ」。しかしもっと驚いたことは、開店と同時に席が埋まった途端、客の誰もがメニューを見ないばかりか注文もしてないのに料理(といってもPHOばかりだけど)が次々に運ばれることだ。各人の好みをしっかり把握してるとみた。店の人のきびきびした動きを見るだけでも清々しい思いがする。3軒ベトナム料理店が並ぶがここだけが混んでる理由はこの辺りにあるのだろう。もちろんスープの味も忘れてはいけないが。
 気が付くとメニューを貰っているのは我が卓だけであった。レギュラーサイズのPHOとアイスコーヒー・コンデンスミルク入りをいただき、満足して店を出る。

 ちょうど8時半になったのでカスタードパイを受け取りに行った。けっこう大きなホールだ。これで$7弱!すばらしい!熱いうちに食べてもよし、冷蔵庫で冷やしプリン状になったものをいただくのもよしだ。

 チャイナタウンを後にし、昨日買いそびれたワイケレで思いっきり買い物。そしてミリラニの「WAL☆MART」にも行く。するとけっこうな雨に見舞われた。ここ数日ずっと山側のお天気はさっぱりである。

 次にカイムキへ。「キルツンコア」の先の駐車場に入れ、付近を散策だ。このあたりのノスタルジックな雰囲気が私は大好きである。お昼ごはんを食べに「キムチU」に入った。スペシャルセットはカルビやビーフ、チキンが相盛り、そこにマンドゥーやジョンなども付いて見ただけで満腹な一皿。
 そして食後は2軒先の「カフェローファー」でケーキとお茶。最初システムがわからなくて、「先にレジで注文して」と言われてしまったが、カフェラテもなかなか美味しい。よく雑誌に載るオレオケーキは予想以上の味だった。
 ウキウキしながら「キルツンコア」で買い物。ここはキルト製品全般を扱うお店だ。意外だったのは店番が男の人だけだったこと。「手芸屋に男性」という日本ではあまり見かけない図式に一瞬戸惑った。しかしフレンドリーにキルトフェアのチラシなど袋に入れてくれる。いい人だ。
 お店を出たところに、これまた雑誌で見覚えのあるスコーンの店「スコーニーズ」を発見。「もういらないんじゃない?」という連れの声を無視して店内に入る。ここも男性が店番であった。チョコ、レーズン、アップルなど4品を箱に詰めてもらう。ここのスコーンはかなり美味しいほうだ。ホール売りのパイ類も次回は試してみたい。

 いったん部屋に戻り、お菓子類を冷蔵庫に収めてからアラモアナセンターに向かう。親がハワイ島観光の間に買い物三昧だ。「ニーマンマーカス」の担当とおしゃべりしてから、チョコなど販売してるコーナーで御馴染みチョコ付きポテトチップや、コナ・ジョー・コーヒーを数袋買い求める。後者は、アメリカ・スペシャルティ・コーヒー協会選出による「ベスト・ニューロースト・コーヒー賞」を受賞した一品。ハワイでは「ニーマンマーカス」でのみ扱っている。
 続いてハワイアンジュエリーのバングルを作りに、パンナムビルの9階に行く。ここは友人に紹介された店。オフィスビルの中にショールーム兼工房がある。英語でのやり取りになるが、何しろ安いものを買うわけじゃないので、ひとつひとつ言葉を選び慎重に話す。なるほどワイキキの有名店に比べるとかなり安い。しかし出来上がりは10日後になるという、日本に送ってもらわねばならないので手にするのは実質2週間後だ。友人がいつも頼んでいなければ訪れることはなかっただろう。しかし利点もある。別送品の場合、4.17%の州税が掛からないのだ(送料がかかるけれど)。
 なお、出来上がり品はとても素晴らしいものだった。実際我が家に届いたのは予定日より3日遅れだったが、これは間にカメハメハデイの連休が入るのを店主がカウントし損ねたためだと思われる。今後も贔屓にすることを確信。

 そして大荷物をかかえ再び部屋に戻り、クーラーを軽くかけてお昼寝。私たちだけなら大体昼間はこうしてまどろみの時間を作るのだ。しかし親がいてはそうもいかず、ようやく訪れたまったり時間は至福であった。

 19時過ぎ。目が覚める。まだ親たちは戻ってきていない。20時・・・、いい加減心配になりアップルツアーに電話すると、今朝お会いしたFさんが電話に出た。「ちょっと遅いですね。確認して折り返します」。そして折り返し聞いた内容に驚く。「今日、マウイで爆弾騒ぎがあって、それでダイヤが乱れてるようなんです。でももうすぐ着くそうです」。
 そして20時40分ごろ2人がご帰還。見た目からしてヘトヘトで、目は血走っている。まずはお腹をいっぱいにすべく「KIRIN」に予約の電話を入れた。
 車でベレタニアの中華料理店「KIRIN」へ。コント赤信号のリーダー渡辺さんも奥様&お子様連れで食事に来ていた。エビのボイル、ホタテにベーコンを巻き揚げたもの、北京ダック、ロブスターのねぎ・しょうが炒め、蟹のブラックビーン、そして炒飯をサクサクと頼む。
 父のご機嫌を取るため日本酒もお燗してもらった。メニューには「菊正宗」と出ていたが、いざ運ばれたら「月桂冠」だった。ま、そんな小さいことはどうでもよい。まずは飲ませる。すると喋ること、食べること、機関銃のごとくである。かなり不満があるらしい。ハワイ島で当たったドライバーは大変良かったらしいが、オアフに戻ってきたとき迎えに来た係員が気に入らないという。母の言葉によれば一触即発だったとか。思わずその場にいなかったことを感謝した。
 そしてデザートが運ばれた頃、告白しだした。どうやら母が怪我をしたらしい。ボルケーノを散策中に転んだという。これで納得した。父親のイライラはそこから来ているのだ。

 部屋に戻り、準備してきた「冷えピタ」や「マキロン」で手当てをした。まさか役に立つとは思わないで、念のため入れたモノたちだ。しかし夕飯をペロっとたいらげる姿を見ているので、内心そんな心配はしていなかった。ただ、この日の晩行く予定にしていたビーチコマーのショーや、変身フォトのヘッドショットは諦めてもらうことにした。「次があるでしょ」となだめすかしながら、3日目終了。
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