パンチボウル(国立太平洋記念墓地)
PUNCH BOWL (National Memorial Cemetery of the Pacific)

3つの顔を持つパンチボウル
パンチボウルはダイヤモンドヘッドと同じ噴火口の跡で、ダウンタウンとタンタラスの丘の間にあります。クレーターの内側には国立太平洋記念墓地があり、第2次世界大戦や朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争など、アメリカが関わった戦争で戦死した兵士やその家族が眠っています。
パンチボウルが火山活動によってクレーターの形になったのは75,000年〜100,000年前と言われ、ダイヤモンドヘッドよりも新しい時代の噴火でした。上空からパンチボウルが撮影された写真を見てみると、火口部分が丸く窪んでいるのがよく分かります。ハワイ語では「Puowaina」と呼ばれ、これは「生け贄の丘」を意味します。古代ハワイおいて、カプ(戒律)を破った者を神に捧げる生け贄としてパンチボウルの丘の上で燃やしたことによるものです。
時は流れて1949年、パンチボウルのクレーター内に国立太平洋記念墓地が作られました。ワシントンDC郊外のアーリントン国立墓地と並んでアメリカ合衆国に2つしかない戦没者を祀る国立墓地で、モンキーポッドなどの大きな樹木が並び、一面に緑の芝生が敷き詰められた美しい場所に数万人の兵士の墓が整然と並んでいます。ここの墓碑はパネル状の平たい石を地面に置くスタイルなので、場内が広大な芝生広場のように見えます。TVドラマ「Hawaii Five-0」でスティーブ・マクギャレットがお父さんのお墓参りに来ていたのもパンチボウルの国立太平洋記念墓地です。


正門から見ていちばん奥には「ホノルル・メモリアル」と呼ばれるアメリカ軍の戦争の軌跡を振り替える歴史施設があります。中央にはレディ・コロンビアの像が建ち、奥の建物の回廊部分には太平洋戦争、朝鮮戦争、ベトナム戦争の各局地戦でアメリカ軍がどのように戦ったかを知ることができるパネルが並び、建物内にはチャペルもあります。ホノルル・メモリアルに続く階段の両側には、これらの戦争で行方不明となったアメリカ軍兵士の名前が記された真っ白な石碑が建てられています。アメリカ本土から訪れる観光客の一番人気がパールハーバー(真珠湾)のアリゾナメモリアルと言われていますが、彼らにとってはパンチボウルも同じぐらい意義深い場所です。




クレーターの南側にはダイヤモンドヘッドからパールハーバー方面を見渡せる展望台があり、静かな観光スポットとなっています。標高164メートルの展望台からは、素晴らしい眺めが広がっています。展望台に行くには、正面のゲートを入ったところのローターリーを左方向に進み、いちばん外側の一方通行の外周路を進んでいくとアクセス路が見つかります。車は道路両側の駐車スペースに駐めます。パンチボウルは誰でも訪れることができますが、厳粛な墓地であることを忘れずに行動したいものです。




パンチボウル(国立太平洋記念墓地)の行き方など
- 住所
- 2177 Puowaina Dr., Honolulu
- 電話番号
- (808) 532-3720
- 営業時間
- 3月2日〜9月29日 8:00〜18:30
9月30日〜3月1日 8:00〜17:30 - 入場料
- 入場無料
- バスでの行き方
- ワイキキのクヒオ通り山側からE、13、42番のバスに乗り、ダウンタウンのアラパイトランジットセンターで15番のバスに乗り換え、プオワイナドライブ(Puowaina Dr.)とホオクイストリート(Hookui St.)の交差点で下車。降りたところにパンチボウル(国立太平洋記念墓地)の入口があるので、そこから坂道を500メートル上ると正門があります。15番のバスは本数が少ないので、注意してください。
- レンタカーでの行き方
- ワイキキのアラワイブールバード(Ala Wai Blvd.)からマッカリーストリート(McCully St.)へ右折、約900メートル進んだところでベレタニアストリート(S.Beretania St.)に左折、約500メートル先の交差点でプナホウストリート(Punahou St.)に右折、H1フリーウェイを越えて3つめの信号でネホアストリート(Nehoa St.)へ左折、約1km先の交差点でアウワイオリムストリート(Auwaiolimu St.)に右折、タンタラスドライブの橋をくぐってすぐの分岐を左方向のホオクイストリート(Hookui St.)へ進み、突き当たりのプオワイナドライブ(Puowaina Dr.)を左折、100メートル先の橋の手前右側に入口があります。