小さな町
SMALL TOWN
ホノルルからカフルイ行きの飛行機に乗ると、窓の外にラナイ島が見える。オアフ島の4分の1弱しかない小さな島は、上空から眺めると島の様子がよくわかる。手つかずの自然や、かつてパイナップル畑であった土地に囲まれて、小さな町がポツンとひとつだけある。町の名はラナイシティ、人口2500人余りの町だ。
ドール社のパイナップルプランテーションで働く労働者のために作られたこの町は、ハワイのパイナップル産業が衰退した今日、その輝きを失いつつある。90年代に2つのリゾートホテルがオープンしてから、町の人々の働き口は畑からリゾートに変わった。しかし所詮、田舎町、若者は町を離れ、ホノルルやメインランドに向かう。人通りのないメインストリートには寂寞とした雰囲気が漂っている。
上空から町を見下ろしながら、かつてこの町を訪れたときのことを思い出した。町に2軒しかないレストランの主人や案内してくれた運転手は、とてもフレンドリーで温かかった。小さな町の至るところに、アロハスピリットが息づいていた。
(Lanai City, Lanai)