ホノム
HONOMU
ホノムはハワイ島ハマクアコーストにある、ちっぽけな町だ。「ちっぽけ」という言葉が妙に似合う小さな町である。ヒロとコナを結ぶ大動脈、19号線からわずかに山側に入ったところにあるため、地元の人でなければ、そこに町があることに気付かないであろう。
ハマクアコーストは、かつてサトウキビ栽培で栄えたエリアだ。この島のサトウキビ産業が盛んだった時代がこの町に最も活気があった頃で、サトウキビ産業の衰退以降、町も寂れていき、ただの田舎町になりつつある。
ホノムの町にとって唯一の救いは、この町がアカカフォールズへの途中にあることだ。アカカフォールズは、数あるハワイ島の滝の中でも、訪れる観光客が多い。滝への帰り道、この郷愁あふれる田舎町は、一休みしようという人々の心を捉える。
町といっても100メートル余りのメインストリートが1本、片側にカフェやギャラリーが何軒か並んでいるだけである。しかし、それがこの町の味であり、のどかなビッグアイランドらしく、ゆったりとした時の流れを刻んでいる。
(Honomu, Big Island)