ペインテッド チャーチ
PAINTED CHURCH
宗教は文化を創造する。礼拝の場所には人が集まる。そして、異なる文化圏の人間にとっては観光の場所でもある。そんなわけで日本を訪れる外国人は京都のお寺巡りをするし、海外にでかける日本人は現地の教会を訪れる。
ハワイ島には観光スポットとなるような教会がいくつかある。カイルアコナの由緒正しきモクアイカウア教会、おとぎ話に出てくるようなセント ピータース教会、そしてこのセント ベネディクト ペインテッド教会だ。
中に一歩足を踏み入れると、カラフルな内装に目を奪われる。壁面、天井、柱など、あらゆる場所に聖書の場面が描かれている。と同時にパームツリーや虹も描かれていて、いかにもハワイらしい。祭壇がなければカフェとしても使えそうだ。
この絵画を手がけたのは、ベルギーからやってきたジョン・ベルチマン・ベルジ神父。言葉がわからず聖書の読めないハワイの原住民に、何とかして聖書の教えを伝えようと描いたのだという。それから100年余り。多くの日本人がこの教会を訪れる姿を目にしたなら、神父はどう思うのであろうか。
(Honaunau, Big Island)