黄昏
TWILIGHT

ハワイでの過ごし方は人それぞれだ。朝から晩までアクティブに動き回るのもいいし、のんびりとリラックスして過ごすのもまたいいものである。たとえば、プールサイドで1日を過ごすというのはどうだろうか。プールサイドのデッキチェアーでお気に入りの作家のミステリーを読み、プールで泳ぎながら空を仰ぎ、プールバーでのどを潤し、しばし眠る。優雅な時間の過ごし方だ。

時間の経過とともに太陽が傾いていく。影が伸びていく。空の色が変わっていく。汚れた空気の都会では見られない空の色だ。そして、黄昏時にクライマックスを迎える。広辞苑によれば、黄昏とは「夕方薄暗くなって『誰（た）そ、彼は？』と、人の顔の見分け難くなった時分」のことだ。隣のデッキチェアーの人の顔が見えなくなる、まさにその時間がプールサイドの1日の仕上げである。夕陽が沈み夜の帳が下りるまでのわずかな時間、1日のなかで最も幻想的な景色が現れる。

（Waikiki, Oahu）