サドルロード
SADDLE ROAD
ハワイ島のヒロからコナに向かう時、海沿いの19号線を走るのが普通だ。道幅も広く舗装もしっかりしているので、時速50マイル位でも快適に走ることができる。
19号線がマウナケア山の北麓を通っているのに対し、マウナケアの南側にもヒロとコナを結ぶ道路がある。それがサドルロードだ。サドルとは自転車のそれや乗馬で使用する鞍のことだが、山の稜線が窪んだところという意味もある。マウナケア山とマウナロア山の間の窪んだところを通るのでそう呼ばれるようになった。
雨が多く緑が生い茂っている島の東側から、乾いたエリアの西側へ抜ける道なので、ドライブ中は移りゆく景色の変化を楽しめる。ヒロを出発した頃は両側に熱帯雨林風の樹木が続いているが、しだいに樹木が低く疎らになり、突如溶岩流が現れる。マウナケア山頂への分岐点を過ぎると道路の舗装が荒くなり、米軍の演習場の中を抜けていく。そのなかで変わらないのは、マウナケアの美しい稜線である。
交通量も少なく、ハワイ島の雄大な自然を楽しむには絶好の道路である。
(Pohakuloa, Big Island)