ライフガード
LIFE GUARD

ハワイのライフガード

スポーツのプロフェッショナルを語るとき、しばしば「心技体」という言葉が使われる。精神力、技術力、体力のどれもが優れていなければ、卓越したパフォーマンスを見せる事ができないというわけである。

ハワイのライフガードも、まさに「心技体」三拍子揃ったプロフェッショナルの集まりだ。もっともライフガードの仕事はスポーツではない。人命がかかっているだけに、スポーツのプロフェッショナル以上に研ぎすまされていなければならない。

ワイキキビーチをはじめ主なビーチに行くと、オレンジ色のライフガードタワーが建っている。黄色にオレンジのロゴのはいったTシャツを着たライフガードがビーチの安全を守っている。彼らは海の状態を見ながら事故を予防し、緊急事態発生の際には果敢に救出に向かっていく。

彼らはホノルル市郡の職員だ。消防士や警察官などと同じような位置づけである。しかしライフガードになるのは大変だ。25分以内に1000ヤード走って、1000ヤード泳がなければならないとか、4分以内に400ヤードをレスキューボードでパドリングしなければならないといった試験をパスしなければならない。ときには除細動機を使用したり気管内挿管などの処置を施すこともあるため、様々な訓練も受けなければならない。そして小さな頃から海に親しみ海のことなら何でも知っていることが条件だ。これらをクリアして初めてライフガードとして勤務できるのである。

彼らがいる限り、我々は安心してビーチで遊ぶことができる。しかし、彼らが活躍する機会がないことがいちばんである。

(Kaena Point State Park, Oahu)