ヨコハマベイ
YOKOHAMA BAY

ハワイ オアフ島のヨコハマベイ

言うまでもないことだが、オアフ島でいちばん賑やかなビーチはワイキキビーチである。その他にも、ハナウマベイ、カイルアビーチ、サンセットビーチなど多くの旅行者が訪れる人気のビーチは、島の其処彼処に点在している。

しかし、オアフ島にも訪れる人の少ない、静かなビーチがある。ワイキキからH1フリーウェイを西に走り、コ・オリナを過ぎ、KONISHIKIの育ったナナクリの町を過ぎ、バスの終点マカハを過ぎると、人家はなくなり、閑散としたビーチが次々に現れる。平日の午前中などは誰もいないことも珍しくない。まるでカウアイ島のはずれのビーチのようだ。

この界隈の静かなビーチが接する湾をヨコハマベイという。その昔、この海岸線に沿って、収穫されたサトウキビを運ぶ鉄道が通っていた。プランテーションが産業の中心だった時代で、日本からの多くの移民は労働力の主役であった。その中に横浜出身の釣り好きの男がいた。そして、休みの度にこのあたりの海に釣りにやってきていた。以来、この海がヨコハマベイと呼ばれるようになったということだ。

さて、新天地での希望に満ち溢れてやってきた移民であるが、その暮らしは決して楽ではなかった。苛酷な労働条件の下、苦難の日々を送っていた。西海岸にあるこのビーチから見る海の向こうにあるのは横浜だ。男をこの海に連れてきたのは、望郷の念かもしれない。

(Makua, Oahu)