フィッシャーマンズワーフ
FISHERMAN'S WHARF
バブルの頃、東京のある埠頭の再開発のプレゼンで「東京フィッシャーマンズワーフ」なるものを提案したことがあった。やらなくて良かった。同じ頃から日本の各地に××フィッシャーマンズワーフという商業施設ができたが、閑古鳥が鳴いているところが多い。後付けでは駄目だということだ。
フィッシャーマンズワーフを日本語にすれば、漁師の波止場である。元々、漁師が魚を水揚げしていた場所だ。新鮮な魚介類が揃っていることからシーフードレストランができ、食事に来る客を目当てに商業施設ができるといった具合に発展してきた。それが正しい姿である。その代表例がサンフランシスコのフィッシャーマンズワーフで、世界でもっとも有名で賑わっているそれであろう。
ホノルルにもフィッシャーマンズワーフがある。ケワロ湾に面し、サンセットディナークルーズやフィッシングのボートが行き交う場所だ。しかし、ナバテックやスターオブホノルルなどの大型のボートがアロハタワーから出航するようになり、アラモアナ・ブールバードを隔てたワード地区の再開発が進む今日では、往年の賑わいも今は昔だ。黄昏どきのひなびた雰囲気にはブルースがよく似合う。
(Kewalo Basin, Oahu)