アリゾナ記念館
ARIZONA MEMORIAL
「戦争を知らない子供たち」という唄が流行ったのは1971年だった。約30年前のことだ。当時の若者は戦争を知らずに育ったが、多くの大人は戦争を経験していた。その戦争とは第2次世界大戦のことで、さらに30年前の真珠湾攻撃から始まった。
1941年12月7日、日本軍連合艦隊の戦闘機183機が真珠湾を奇襲、米太平洋艦隊の主力戦艦の多くが真珠湾に沈んだ。そのひとつ、戦艦アリゾナ号の上に建てられたのがアリゾナメモリアルだ。アメリカ人を中心に多くの観光客が訪れる場所であるが、フェリーで白亜の記念館にアクセスした人々に笑顔はない。記念館の両脇には朽ち果てたアリゾナ号の残骸が横たわり、奥の壁面には犠牲になった乗組員ら全員の氏名が彫り込まれている。しばしの間、リゾート気分を忘れさせる雰囲気だ。
「戦争を知らない子供たち」を知らない世代が増え、大半の世代が戦争を知らない今の時代にあって、この施設が存在する意義は大きい。ハワイに行ったら1度は訪れておきたい場所である。
そして今年もまた、12月7日がやってくる。
(Pearl Harbor, Oahu)