ハワイの牛
HAWAIIAN COW

ハワイの牛

ハワイ語で「カウボーイ」のことを「パニオロ」という。パニオロという言葉があるのだから、ハワイには古くからカウボーイがいたということだ。そしてハワイのあちこちには牧場がある。ビッグアイランドのパーカーランチのように、どこからどこまでが牧場かわからない程広いものもあって、放牧地の中を道路が通っていることも多い。

ネイバーアイランドをクルマで走っていると、これらの牧場で放牧中の牛に出会う。牛たちは、ハワイの大地が育んだ新鮮な草を食み、美しい景色を楽しみながらリラックスしているように見える。ストレスなどなさそうな世界だ。

古くから「王様と乞食」のように互いの立場が入れ替わったらどうなるかという寓話は多い。日本で働く人間とハワイで放牧される牛も然りではないか。鉛色の雲が立ちこめる都心で、冷たい風に吹かれながら仕事に追われるのなら、ハナの牧場あたりで牛になってのんびりするのも悪くないかなと思うのだが、果たして牛は何と言うだろうか。

(Haleakala, Maui)