ホオキパ
HOOKIPA
マウイ島に世界中からウインドサーファーが集まってくる場所がある。空港のあるカフルイからハナハイウェイを進み、パイアの町を少し過ぎた辺りだ。Hookipaと記されるので、ガイドブックなどにはホオキパと書かれていることが多いが、「ki」にアクセントを置いて発音するのでホキーパと聞こえる。
日本でウインドサーフィンといえば、穏やかな水面を滑らかに進むものを想像しがちだが、ここホオキパでは全く別なスポーツの様相を呈している。横殴りの強い風をセールに受けて疾走するボードが沖からの大きなうねりをとらえ、波が白く砕ける瞬間、ものすごい勢いで宙に舞い上がり、ときには空中で回転する。ホオキパの海に入れるのは、プロレベルに近い腕前のウインドサーファーだけで、彼らのテクニックやパフォーマンスを見るために多くのギャラリーが集まってくる。
ホオキパが世界有数のウインドサーフィンのポイントとなったのは、この土地特有の風と波があったからだ。この辺りの海岸線は、北東から吹いてくる貿易風や、ウエストマウイとハレアカラの間を抜けて吹いてくるコナウインドと平行になっていて、ウインドサーフィンにとっては絶好のサイドショアとなる。また強い潮の流れや大きな波のうねりもあり、特に冬にはアリューシャン列島方面からビッグウェーブが押し寄せてくる。
海を見下ろす丘の上で、多くのギャラリーと並んでトッププロのダイナミックな技を見ていると、ウインドサーフィンというのは風と波と会話するスポーツであるということがよく分かるのであった。
(Hookipa, Maui)