タロ芋畑
TARO FIELDS

カウアイ島ハナレイ近くのタロ芋畑

何だかのどかで、のんびりとした光景である。まるで日本の農村のような雰囲気だ。しかし、畦道で区切られた区画は水田ではなくてタロ芋畑である。畑といっても水を引いているので田圃のようなものだ。

ここはカウアイ島の北海岸、ハナレイの展望台である。この景色がメインランドからの観光客に人気で、記念写真を撮る人が後を絶えない。日本人には見慣れたような景色だが、降水量が世界トップクラスのワイアレアレ山から流れ出すハナレイ川が、海に注ぎ込むところにできた平坦な地形は、タロ芋栽培に非常に都合の良い場所であった。

ここで栽培されているタロ芋は、古くからハワイアンの主食とされてきた。すなわち、ポイのことである。ポイは蒸したタロ芋をすりつぶして発酵させたもので、ルアウなどでは必ず見かけるが、日本人の口には合わないように思われる。しかし、ネイティブ・ハワイアンにとっては、日本人がコメに対して抱くような思い入れのある食べ物であり、タロ芋を栽培する土地もまた神聖なものである。

(Hanalei, Kauai)