カホオラヴェ島
KAHOOLAWE

カホオラヴェ島

マウイ島のリゾートエリアに滞在していると、沖合にいくつかの島が見える。これらの島を眺めていると、何となく安心感やくつろぎが感じられる。親しい人とか愛する人と一緒にいるような気分、とでもいうのだろうか。目の前に浮かぶ島までの程良い距離が落ち着いたバランス感覚を生みだし、リラックスできるのかもしれない。

マウイ島の西から南にかけては3つの島が点在しているが、ワイレアから見えるのがカホオラヴェ島だ。カホオラヴェ島は面積が約120平方㎞の小さな島で、標高が低いのであまり雨が降らない。土地も荒れていて農耕に適さないことから、先住民以降は住むものは少なかったと伝えられている。

カホオラヴェ島の運命が大きく変わったのは、第2次大戦中の1939年のことだ。米軍の爆撃演習地として収用され、砲弾の雨を浴びることになった。島への立ち入りは禁止され、もともと赤茶けた土地が更に荒れていった。1994年になってようやくハワイ州に返還されることになったが、不発弾の処理は未だに続いている。

次にこの島の運命が大きく変わるのは果たして何年後のことであろうか。ワイレアのリゾートで、朝のコーヒーを飲みながら考えるのであった。

(Kamaole Beach, Maui)