ハワイでバスを乗りこなす
HOW TO GET ON THE BUS
ハワイを訪れるほとんどの方はワイキキに滞在しますが、ワイキキを離れてバスで郊外に出かけるのも楽しいものです。ローカルの人々が多いショッピングセンターやスーパーマーケット、ノースショアの田舎町、ラニカイビーチやハナウマベイなどの美しいビーチなど、バスで移動すればハワイ旅行気分が盛り上がること間違いないでしょう。
ザ・バスはホノルルの公共交通機関
ザ・バス(The Bus)は、オアフ島ホノルルの公共交通機関です。オアフ島内に100以上の路線(通勤時間路線含む)があって、毎日20万人以上の人々が利用するハワイの貴重な移動の足です。ザ・バスの利用者の多くはハワイで暮らす人々ですが、ワイキキやアラモアナセンターを基点にオアフ島内の主要な場所に低料金で行けるため、旅行者にとっても使い勝手の良い交通機関となっています。
ザ・バスには2種類の車両があります。古くから採用されているアースカラーの車両とハワイらしいレインボーカラーの車両で、それぞれに車体が長い連接車や環境に優しいハイブリッドバスが走っています。
ザ・バス 主要路線の行き先とルート
ザ・バスの路線の中から通勤用や地域巡回路線を除いた主な路線について、ルート番号ごとに行き先表示と経由地、便利な使い方を紹介します。
ザ・バスの運賃と料金体系
ザ・バスの運賃は大人(18歳以上)片道2ドル50セント、子供(6歳〜17歳)片道1ドル25セントです。1日券(ワンデーパス)は大人5ドル、子供2ドル50セントで、購入した日の午前0時から翌日の午前2時59分まで使用することができます。以前からあった乗り換えのためのトランスファーチケットは、2017年10月に1日券が登場した際に廃止されました。この他にシニア料金やマンスリーパスなどがありますが、詳細は以下の通りです。2018年1月1日から料金が改定されました。
2018年1月1日からの新運賃
- 片道運賃
- 大人(18歳以上)2ドル75セント、子供(6歳〜17歳)1ドル25セント
5歳以下の子供は大人1人につき1名まで無料、2人目から子供運賃が必要 - 1日券
- 大人(18歳以上)5ドル50セント、子供(6歳〜17歳)2ドル50セント
乗車時に運転手から購入 - シニア運賃
- 65歳以上 片道1ドル、1日券2ドル
別途10ドルで購入するシニアカードの提示が必要 - マンスリーパス(1ヶ月券)
- 大人70ドル、子供35ドル、シニア6ドル
購入してから1ヶ月ではなく、1日〜末日まで有効 - アニュアルパス(年間パス)
- 大人770ドル、子供385ドル、シニア35ドル
購入してから1年ではなく、1月1日〜12月31日まで有効
大人と子供のマンスリーパスは、ザ・バスのパスオフィス(カリヒトランジットセンター内)、フードランド(スーパーマーケット)、タイムズスーパーマーケット、セブンイレブン、ハワイ大学のキャンパスセンター、市役所出張所などで購入。シニアのマンスリーパスは、ザ・バスのパスオフィスまたは市役所出張所で購入。すべてのアニュアルパスとシニアカードはザ・バスのパスオフィスで購入。
ザ・バスの乗り方と降り方
バスに乗るためにはバス停を探します。ザ・バスのバス停はワイキキなど都市部の場合、バス停のサイン、ベンチ、屋根、ゴミ箱がセットになっていますのですぐに分かるでしょう。郊外に行くと、通り沿いの電柱にバス停の小さなサインが打ち付けてあるだけのところも多く見かけます。バス停のサインにはそのバス停に停車するバスの路線番号が表示されているので、自分が乗るバスの番号があるかどうか確認します。
バスがバス停に近づいてきたら、前面上部の行き先表示でバスの路線番号と行き先を確認します。同じ番号でも逆方向に乗ってしまうと大変なので、行き先はしっかりと見ましょう。バスが停車したら前の扉から乗車します。運転手の横に運賃箱があるので、運賃を入れます。紙幣と硬貨は入れる場所が別々になっていますので間違わないように。お釣りは出ませんので、きっちりの金額を用意しておきます。1日券(ワンデーパス)が必要な場合は、運転手から購入します。
次に停車するバス停は車内前方の電光掲示板(古いバスには付いていません)に表示されるとともにアナウンスがあります。アナウンスは英語ですので日本人には聞きづらいかもしれませんがバス停がある通りの名称で、電光掲示には「KAPIOLANI/KEEAUMOKU」のように表示されます。降りるバス停が近づいたら、車内に張り巡らしてあるワイヤーを引いて合図します。ワイヤーを引くと「STOP REQUESTED」(次、停まります)の表示が出ます。日本のバスのように降車ボタンが付いた車両もあります。バスが完全に止まったら、近くの扉から降ります。前の扉は運転手が開けてくれますが、後ろの扉は上部のランプがグリーンの時に手で押して開けるタイプの車両と、黄色いテープの部分にタッチすると自動で開くタイプの車両があります。降りるバス停を逃しそうで不安な場合は、乗車の際に「パールリッジで降りたい」などのように目的地を伝えておくと到着時に教えてくれます。
一般的に帰りのバス停は降りたバス停から通りを渡った反対側にありますが、一方通行の道路などでは違う通りから乗ることになります。例えばホノルル美術館にバスで行く場合、往路はベレタニア通りで降りますが、復路はキング通りから乗ります。このような場合は事前に調べておくことが望まれます。
ワイキキのバス停
ワイキキのバス停は大部分がクヒオ通りにあるのでクヒオ通りに行けばほとんどのバスに乗ることができます。例外として、ハナウマベイやサンディビーチ、シーライフパークに向かう22番のバスの東行きとエヴァビーチからワイキキに来るEのバスの東行きはカラカウア通りを経由します。クヒオ通りのバス停ではハワイカイなど東に向かう場合は海側のバス停から、アラモアナやダウンタウンなど西に向かう場合は山側のバス停からバスに乗ります。
なお、ハレクラニやワイキキパーク、エンバシースイーツ周辺のエリアのホテルに滞在している場合、2番、13番を除く西行きのバスはクヒオ通りのバス停よりもカリアロードのバス停の方が近くて便利です。
乗り換えとトランジットセンター
ザ・バスを利用すればオアフ島のほとんどの場所に行くことができますが、ノースショアやカイルアなど行き先によってはワイキキから直通のバスがなくて、途中で乗り換えが必要になります。バスの乗り換えは東西に走る通りのバス停から南北に走る通りのバス停に移動して乗り換える場合もありますが、ほとんどの場合はトランジットセンターと呼ばれる場所で乗り換えます。各地からのバスが集まるアラモアナセンターはオアフ島最大のトランジットセンターです。他に、ダウンタウンにあって多くのバス路線が経由するアラパイトランジットセンターを始め、ワイパフトランジットセンター、カポレイトランジットセンターなど地域ごとにトランジットセンターがあり、地域内を走るバス(3桁の番号が多い)に乗り換えることができます。例えばワイキキからワイケレプレミアムアウトレットに行く場合、Eのエクスプレスバスでワイパフトランジットセンターまで行き、そこで433番のローカルバスに乗り換えることになります。
20を超える路線のバスが発着するアラモアナセンターでは海側と山側にバス停があり、海側山側それぞれでエリアごとに乗り場が分かれています。ワイキキとアラモアナセンターを往復する8番のバスなどは海側にも山側にも停車しますが、郊外に行く多くのバスは片方にしか停まりません。乗り換えの場合、降りるバス停と乗るバス停が離れていることもありますので、事前に乗降の場所をチェックしておく必要があります。また、アラモアナセンターの北側を走るカピオラニ通りで乗り換える場合もあります。
バスの上手な利用法と便利なツール
バスで出かける場合には事前に最寄りのバス停を調べます。目的地の案内などに表示されていない場合にはGoogleマップで目的地を検索します。目的地周辺の地図が表示されたら、地図を少し拡大するとバス停のマークが現れるので、それにポインタを合わせるとバス停の名称とバス番号が表示されます。次に、ワイキキなど出発地からそのバス停に行くルートを調べます。A、C、Eなどアルファベットの付いたエクスプレスバスは、停車するバス停が少なかったりフリーウェイを経由したりするので優先的に利用したいものです。例えばアラモアナセンターからカポレイに行く場合、40番のバスは2時間ぐらいかかりますが、Cのバスだと1時間ちょっとで着きます。
スマホを持っている方は乗車後、Googleマップなどで走行中の位置を確認するといいでしょう。降りるバス停を逃すことが少なくなります。Wi-Fiが使えない場合は、「MAPS.ME」などのオフラインマップのアプリを入れておくとスマホのGPS機能だけで走行位置を表示してくれます。事前に降りるバス停の周辺の景色をGoogleストリートビューで見ておくと、降りる時に役立つこともあります。
バス停の場所や目的地までのルートの検索は、ザ・バスのホームページ(一部のページは日本語)で行います。全路線のルートマップ、時刻表などが利用できます。「HEA Estimated Arrival Times」にバス停の名称を入れると、次のバスが何分後に到着するかがリアルタイムで表示されます。その他では「DaBus2」というスマホのアプリも使い勝手がいいのでオススメです。
ザ・バス利用上の注意とインフォメーション
ザ・バスでは車内での飲食、飲酒、喫煙が禁止されています。走行中の運転手に話しかけることもできません。運転手に用がある場合は必ず停車中に話しかけます。スーツケースやサーフボードなど大きな荷物を持って乗車することもできません。但し、自転車はバスの前部に取り付けられているキャリアに載せることができます。載せ方などはザ・バスのホームページで確認しましょう。
バスに乗車したら、後から乗ってくる人のために後方に進みます。座席が空いていれば何処に座っても構いませんが、バスの前方の席は優先席(Courtesy Seat)ですので、該当する方が乗ってきたら席を譲らなければなりません。走行中に席の移動はできませんし、立っている場合は何処かに捕まるように指示されます。車内は冷房がきつく長時間乗っていると寒いので、上着を持って乗るのがいいでしょう。車内では携帯電話、スマホ、音楽プレーヤー、ゲーム機などで音を出すことは禁止されていますので、これらの機器は必ずイヤホンかヘッドホンで使用します。ベビーカーは折りたたんでから乗車します。
バス停で待っていてもバスが停まってくれないことがあります。バスの行き先表示に「Not in Service」と出ていたら、それは回送バスです。郊外のバス停や夜間のバス停は人目に付きにくく、犯罪に巻き込まれることがあります。アラモアナセンターなど人の多い場所は別ですが、バスで出かける場合(特に郊外)には明るい時間に余裕を持って帰って来られるような予定を立てたいものです。
ネイバーアイランドのバス
オアフ島のザ・バスほど路線や運行本数が充実している訳ではありませんが、ハワイ島(ビッグアイランド)やマウイ島、カウアイ島にも公共交通機関としてのバスがあり、ローカルの人々の足となっています。詳細はそれぞれの島のバスのページをご覧ください。
トロリーとレンタカー
ザ・バスの他に利便性の高い交通機関としては、ワイキキトロリーや旅行会社が運行するトロリーがあります。また何処にでも自由に行ける手段としてレンタカーも選択肢に入れるといいでしょう。